【定理・公式・証明】高校数学定理・公式 – 数学A – 三角形の五心(重心・外心・内心・垂心・傍心)
重心
三角形の各頂点と対辺の中点を結ぶ線を中線という。3本の中線は1点で交わり,この交点を重心という。また,重心は各中線を $2:1$ に内分する。
証明
〈図1〉のように,三角形 ABC の辺 AB ,辺 AC ,辺 BC の中線をそれぞれ P,Q,R とする。また,線分 BQ と線分 CP の交点を G1 とする。
中点連結定理から,
PQ // BC,PQ=21BC
また, △G1BC∽ △G1QP だから,
BG1:QG1=BC:QP=BC:21BC=2:1
同様にして,
CG1:PG1=2:1
また,線分 BQ と線分 AR の交点を G1 とする。〈図2〉のように, △G2AB∽△G2RQ だから,上と同じようにして,
AG2:RG2=2:1,BG2:QG2=2:1
以上から, G1,G2 はともに線分 BQ を 2:1 に内分するので, G1 と G2 は一致する。したがって3本の中線は1点で交わり,その交点(重心)により各中点は 2:1 に内分される。
外心
三角形の外接円の中心を外心という。三角形の3辺の垂直二等分線は1点で交わり,この点を外心という。
証明
線分 AB の垂直二等分線を l とすると,
点 P が l 上にある ⟺ PA=PB …(*)
〈図1〉三角形 ABC において,辺 AB の垂直二等分線と辺 AC の垂直二等分線の交点を O とすると,
OA=OB,OA=OC
よって, OA=OC となるので,(*)から O は辺 BC の垂直二等分線上にある。よって,
三角形の三編の垂直二等分線は1点で交わる。
また, O は A,B,C から等距離にあるので,点 O を中心とする半径 OA の円周上に B,C も存在する。この円を三角形 ABC の外接円といい,外接円の中心 O を外心という。
内心
三角形の内接円の中心を内心という。三角形の3つの内心の二等分線は1点で交わり,この点を内心という。
証明
〈図1〉のように ∠XOY の二等分線 l と点 P について, P から半直線 OX,OY に下ろした垂線の足をそれぞれ Q,R とする。 △OPQ≡△OPR なので,次のことが成り立つ。
点 P が l 上にある ⟺ 点 P が2辺 OX,OY から等距離にある。 (*)
〈図2〉のように,三角形 ABC において, ∠B の二等分線と ∠C の二等分線の交点を I とし, I から辺 AB,BC,CA に下ろした垂線の足をそれぞれ P,Q,R とすると,
IP=IQ,IR=IQ
よって, IP=IR となるので,(*)から I は ∠A の二等分線上にある。したがって,
三角形の3つの内角の二等分線は1点で交わる。
また,この点 I を中心とする半径 IP の円は,三角形 ABC の3辺に接する。この円を三角形 ABC の内接円といい,内接円の中心 I を三角形 ABC の内心という。
垂心
三角形の頂点から対辺に下ろした垂線は1点で交わり,この点を垂心という。
証明
〈図1〉のように,点 A を通り辺 BC に平行な直線と点 B を通り辺 CA に平行な直線と点 C を通り辺 AB に平行な直線の交点をそれぞれ図のように点 D,E,F とおく。
BC // DA ,かつ, AC // DB より,四角形 ACBD は平行四辺形なので, BC=DA …①
BC // AF , かつ, AB // FC より,四角形 ABCF は平行四辺形なので, BC=AF …②
①,②より,
DA=AF …③
③より, A から辺 BC に対して垂直に引いた直線は辺 FD の垂直二等分線となる。
同様に B から辺 CA に対して垂直に引いた直線は辺 DE の垂直二等分線であり, C から辺 AB に対して垂直に引いた直線は辺 EF の垂直二等分線である。
各辺の垂直二等分線の交点は三角形 DEF の外心であるので,1点で交わる。この点を H とすると,
AH⊥BC,BH⊥CA,CH⊥AB
となり,この点 H を三角形 ABC の垂心という。
傍心
三角形の1つの頂点の内角の二等分線と,他の2つの頂点の外角の二等分線は1点で交わる。この点を傍心という。
証明
〈図1〉のように ∠XOY の二等分線 l と点 P について, P から半直線 OX,OY に下ろした垂線の足をそれぞれ Q,R とする。
△OPQ≡△OPR なので,次のことが成り立つ。
点 P がl 上にある ⟺ 点 P が2辺 OX,OY から等距離にある。 …(*)
〈図2〉のように,三角形 ABC において, ∠B の外角の二等分線と ∠C の外角の二等分線の交点を S とし, S から半直線 AB,AC 辺 BC に下ろした垂線の足を D,E,F とすると,
SD=SF,SE=SF
よって, SD=SF となるので,(*)から S は ∠A の内角の二等分線上にある。したがって,〈図3〉のように三角形 ABC の ∠A の内角の二等分線と, ∠B と ∠C の外角の二等分線は1点 S で交わる。
また,この点 S を中心とする半径 SD の円は,直線 AB,BC,CA に接する。この円を三角形 ABC の傍接円といい,傍接円の中心 S を三角形 ABC の傍心という。
注:傍心は1つの三角形に対して3つある。